世界会議で起案及び可決された王下七武海制度の撤廃により、
千両道化のバギーが元王下七武海のサー・クロコダイル及びジュラキュール・ミホークを従えて設立した・・・と宣伝された会社。
この会社の設立と、ワノ国で勃発した世界を揺るがす決戦で四皇の2名が陥落したことを以て、バギーは新たな四皇の一角に位置づけられた。
実態こそ宣伝とは大きく異なるが、
組織のトップとなっているバギー自身の裏社会への強い影響力、
バギーズデリバリー(以下、BD)に所属していた幅広い人材などにより、
資金さえあれば他の組織からの協力を得ずとも巨大な海賊船の建造もこなせるなど、
設立から真新しいにも拘らず既に強大な組織力を有している。
その事業内容から、非常に革新的なゲームチェンジャーとして世界政府と海軍に危険視されている。
設立の経緯
直接の発端はもちろん王下七武海制度の撤廃。
それに加えて、モンキー・D・ルフィによるインペルダウン大量脱獄事件も遠因として絡んでいる。
クロスギルドのビジネスモデル自体はかねてよりクロコダイルが考えていたものである。
自身とミホークの名が並べば「海軍」が無視できない組織になるとの計算から、
七武海制度撤廃が理由でクライガナ島に代わる拠点を探していたミホークを誘い、
2人で新組織を立ち上げる計画であった。
しかし、当時資金不足であったクロコダイルは、BD設立の際に貸した借金取り立てのためにバギーを訪ねた。
そして、その道中で、七武海制度撤廃によりバギーの拠点を包囲していた海軍艦隊を壊滅させてしまう。
海軍からバギーを助けてまで借金の取り立てを急いだのは、
バギーがどさくさに紛れて高飛びすると見抜いたからなのだが、
この救出劇の結果、BD所属の海賊たちの間に「クロコダイルはバギーの舎弟である」という誤解が広まり、バギーは更なる求心力を得ることになった。
返済を催促するクロコダイルだったが、実はBDは稼ぎ頭の離脱による減収に加え、
メンバーを養うための諸々の経費などが嵩んで経営が行き詰まっており、
耳を揃えて即時返済というわけにもいかない状況だった。
そればかりでなく、これから稼ぎ時というタイミングで件の七武海制度撤廃が行われたため、まさに泣きっ面に蜂であった。
そこでバギーは、元七武海のネームバリューと、BDが抱える人材・施設による労働力の提供で借金を返済するという形をとった。
すなわち、クロコダイルの実質的な部下となり、クロスギルドの広報を請け負ったのである。
実際に「デザイン」「印刷」「運搬」をそれぞれ得意とする人材がいたこともあって、
その広報効果は絶大なものであった。
クロスギルドの名は瞬く間に全世界に拡散され、裏社会の闇組織からの資金援助も受けられるようになるなど、バギーの宣言通りハデな会社設立となった。
四皇へ
しかし、ここでとんでもない誤算が生じる。
世間ではバギーがクロスギルドのトップであると認知されるようになってしまっていた。
バギーはBDの部下たちにビラの製作を丸投げしたのだが、
彼らはバギーを慕いすぎるあまり、バギーがトップで残りの2人が部下であるかのような宣伝ビラをばら撒いてしまい、
海軍は黒電伝虫による盗聴などで収集した(不完全な)情報も加えて総括整理した結果、
「バギーが2人を従えている」と誤認してしまった。
クロコダイルとミホークからすれば、
このミスとそれによる誤解は誇張抜きに筆舌に尽くしがたい屈辱であり、
責任者のバギーは2人からボコボコにされた挙句、本当に殺されかけた。
発起人でありながら計画も面子も潰されたクロコダイルは勿論のこと、
何の話もなくいきなり部下扱いされたミホークも流石にこれには怒り心頭であった。
バギーの命運もここまでのように思われた。
・・・が、元々は平穏な暮らしを望んでおり、四皇の肩書を背負うのも色々と面倒だと考えたミホークが 「いつでも消せる一種のスケープゴートとしてバギーを矢面に立たせ、祭り上げておくのも悪くない」 と提案し、
バロックワークス時代から自身の活動が詳しく周知されることを好まず秘密主義を重視していたクロコダイルもこれに同意。
バギーが名目上のトップとして君臨することが決定し、
すったもんだの果てにクロスギルドは旗揚げされたのだった。
また、発端こそミスによるものではあるが、
バギーが元七武海でインペルダウン大量脱獄事件の主犯格という海賊・闇組織に関する最も大きなブランド力を有しているのも事実。
何より、海賊王ゴール・D・ロジャーの海賊団の見習い出身の経歴をもっていることが、
現四皇であるシャンクスや、元ロックス海賊団見習いから四皇となったカイドウと共通している。
結果的に、バギーが組織の表向きの中心人物として据えるにはこれ以上いないほど適任であったことも、このような形に収まった理由と言える。
結果的に「ミホークとクロコダイルを従えた元ロジャー海賊団のバギー」は、
結成当初から四皇に数えられて莫大な知名度を得ることとなり、
闇組織からの出資も多数得ることに成功し、クロスギルドは(彼ら視点では)順風満帆のスタートを切ることとなった。
次なる目標
クロコダイルは、勢力を拡大していかなる勢力にも脅かされない軍事国家の設立を考えていた。
アラバスタ王国にてバロックワークスを組織し、
プルトン獲得を狙っていた頃からクロコダイルは「軍事国家」を述べており、
形を変えても彼にとって大事な目標である様子。
しかし、1082話にてバギーが腹を括ったことにより事態が変わる。
バギーはシャンクスがひとつなぎの大秘宝(ワンピース)の獲得に動いたことを知り、
自身も海賊王となるべく、2人に囲まれている中でも自らの意志で「自分がワンピースを取る」と宣言し、配下の海賊たちを扇動した。
これにより、配下の海賊たちはバギーと共に海賊王になるべく心を一致させてしまう。
ここから、現状バギーとクロコダイル&ミホークの関係は、
単なるお神輿と黒幕の関係ではなく、基本的にはバギーに言うことを聞かせられるが、
過度にバギーの意向を無視することはできない関係になっている。
組織の構成
社長および大幹部は、その全員がかつて王下七武海に在籍していた経歴をもつ。
社長
本名 | バギー |
---|---|
異名 | 千両道化のバギー |
肩書 | 四皇 |
悪魔の実 | バラバラの実 |
懸賞金 | 31億8900万ベリー(カイドウ、ビッグマム脱落時) |
同じく四皇の”赤髪のシャンクス”とともに、
ロジャー海賊団の見習いとして少年時代を過ごし、
ロジャー処刑後はバギー海賊団を結成。
東の海を中心に活動していた。
後に”麦わらのルフィ”とともにインペルダウン大量脱獄事件の主犯格として名を上げ、
王下七武海に名を連ねる。
その後、前述の経緯から社長としてクロスギルドの”表の顔”となり、
新世界を支配する四皇の一角として名を連ねるようになる。
大幹部
メンバー | 詳細 |
---|---|
サー・クロコダイル |
|
ジュラキュール・ミホーク |
|
大幹部の名を冠する2名とあって、いずれもかつて王下七武海に名を連ねた実力者。
かつて策謀によりアラバスタ王国の転覆を企てたうえ、バギーともどもインペルダウンからの脱獄を果たしたクロコダイル、
四皇に匹敵するほどの圧倒的な個の力を以て、
七武海の座に君臨していたミホークの二人が社長たるバギーの脇を固めている。
前述の事情から、この2人こそクロスギルドの”裏の顔”であり、この組織の実質的なトップとも言える存在である。
しかし、1082話にてバギーが腹を括ったことにより、バギーと2人との関係も少々様変わりすることになった。
事業内容
最大の特徴は、海賊や犯罪者ではなく海兵を賞金首にするという、
前代未聞の事業を行なっている点である。
世界政府・海軍がバギー、クロコダイル、ミホークの3名にかけた懸賞金が極めて高額であるのは、この危険性によるところが大きい。
設立段階で彼ら3名にかけられた懸賞金の総額は、同時点での麦わらの一味全員の総額に匹敵する。
七武海制度撤廃の原因となったのはクロコダイルとドンキホーテ・ドフラミンゴであり、
そのクロコダイルが関わっていると知れれば懸賞金が高くなるのも当然と言える。
従来の常識であれば、海兵を前にした場合の海賊の行動は「逃げる」のが基本であり、
「襲う」などまずありえなかった。
これは、そもそも海賊からすれば「返り討ちにされかねない」「徒に懸賞金が上がり、危険視されて優先的に排除しに来られる可能性が高まる」「物資の略奪なら民間を襲えば良い」等の理由から、海兵を襲うメリットがほとんど無いため。
それでも海兵を襲撃するとすれば「海兵個人への復讐」「護送中の重要物品や仲間の奪還」「緊急時」など、何らかの特殊な動機が必要であった。
だが、海兵を賞金首にするシステムが完成したことで、海賊にとっては、海兵を積極的に襲うことに大きなインセンティブが生まれた。
つまり、海兵からすると、海賊との戦闘の機会が大きく増え、対処がこれまで以上に困難になる。
また、海軍本部で最も恐れられているのは、この組織の存在による政情不安の拡大。
ブランニュー准将は、天上金を納められない国による混乱・革命軍主導による世界政府に対する反乱が多発している中で、
海軍と敵対する者を増やすこの組織を「極めて危険な組織」と評しており、
この組織の出現が如何にとんでもないものであったかが窺える。
撤廃を進めた藤虎及びアラバスタ王国国王ネフェルタリ・コブラとドレスローザ王国国王リク・ドルド3世、
そして撤廃後に交渉もなく一方的に捕縛しようとした海軍全体に対する大きなカウンターとなった。
実際海兵にとっては、海賊に襲われる危険が飛躍的に増えるだけでなく、
市民にさえ狩られる恐怖を味わううえ、市民から敬愛されてきた海兵でさえ例外でないことから、全体の士気も大きく削がれてしまう可能性がある。
作中で初めて判明した犠牲者はなんと海兵屈指の善人たるTボーン中将であり、
それも海賊との戦闘ではなく、国の崩壊によって限界までの貧困に追い込まれた市民から背中を刺されての死亡だった。
これはつまり、一般市民が新たに海賊や犯罪者になる土壌を与えたことになるため、大海賊時代を生み出して世間から憎まれたゴール・D・ロジャー同様に、
民衆を混沌の方向に煽動し社会秩序を根底から覆しかねない危険性を持つ。
海兵を狙う犯罪者は、Tボーンを殺した男のように、国の崩壊などで家族をまともに養えない環境の中で愛する家族を養うために狙う者が多く出てくる可能性が高い。
他者の愛を利用するというクロコダイルがアラバスタ王国転覆でしてきた手法にも連なっている。
なお、この懸賞金システムの発起人はクロコダイルであるが、ミホークは以前から個人的趣向として海兵狩りを行ってきた。
つまり、ミホークの趣向とクロコダイルの転覆術とバギーの海賊派遣の合わせ技がこのシステムとも言える。
報酬
判明している限りの報酬を記載する。
明確な報酬額は記載されておらず星や王冠のマークで記載される。
報酬は現金ではなく財宝入りの宝箱であり、マークの数と種類によって額が決まる。
一般的に大佐級なら1星、大将は一律で3王冠である。
星:約1億ベリー相当
王冠:約10億ベリー相当
1億未満の場合マークがあるかどうかは不明
名前 | 階級 | 報酬 |
---|---|---|
“黄猿” ボルサリーノ | 海軍本部大将 | 3王冠(約30億ベリー相当) |
“藤虎” イッショウ | 海軍本部大将 | 3王冠 |
“緑牛” アラマキ | 海軍本部大将 | 3王冠 |
“ゲンコツ” モンキー・D・ガープ | 海軍本部中将 | 3王冠(本人が昇格を拒んでいるとはいえ階級は中将にも関わらず大将と同額なのでおそらく特別扱い) |
コビー | 海軍本部大佐 | 5星(階級上では通常1星=一億だが、特別に5億ベリー相当) |
※コビーは作中で最初に判明したが、懸賞金はいきなり例外の事例となった。
※原作1087話で明らかとなったガープ中将の懸賞金は3王冠であり、
他の海軍大将と同額であることが判明した。
余談
- 名称について
赤い土の大陸と偉大なる航路の交差や、
ミホークの武器が十字架=クロスを象った剣である、
クロコダイルが加入している点などが名前の由来と考えられている。
また、事業内容も反社会的=ブラックである点から「黒過ぎるど」なる言葉遊びも入っている可能性がある。
また、ギルドの言葉の意味は元々イタリアの商人達が、
相互利益と技術保存のために組んでいた、職業ごとの協同組合である。
各職業ごとに金銭・人員・仕事などをやりとりする形での助け合いや、
無法な同業者を締め出すなどで、職業への信頼を保つ組織化などのメリットがあったが、
反面運営の硬直化による新法規や革新的技術への対応の鈍化(体制移行のコストを嫌った結果、身軽な無所属の寡占状態になり、締め出すなどの制裁を鼻で笑われるほどの利益を叩き出し、その結果ギルド所属が見向きもされなくなり大損をするなど)、
既得権益の過度な強大化(常に古参の顔色を伺う必要があり、古参以上に儲かるなどで目立てば様々な嫌がらせを受ける等の恐れから経営体制自体が萎縮していた)など、
時勢の変化に対応できなくなり万が一の事態で総倒れするデメリットも抱えていた。
- 表記揺れ
英語表記“CROSS GUILD”はポスターや、初登場した1056話のサブタイトルに使われている。
またカナ表記は、作中初めて名前を言及したユースタス・キッドの台詞、
および大幹部3人の懸賞金を海軍本部で発表した際のブランニューの台詞が、ジャンプ本誌では「クロス・ギルド」と中点が入っていたが、
どちらも単行本掲載時に”CROSS GUILD”へのフリガナと同じ「クロスギルド」に変更されたことから、正式名称として後者に統一された模様。
- 海賊旗
ONEPIECEカードゲームで判明した海賊旗(シンボル)は、バギー海賊団のドクロとバロックワークスのシンボルマークを合体させ、
更にミホークの黒刀「夜」がドクロの頭上に刺さっているドクロマークとなっており、
さながら「夜とレイピアで串刺しにされているバギーにしか見えない」という声も。
カリスマ性
バギー自身はそれ程高くない実力だが、それをカバーできる非常に高いカリスマ性を持ち、
海底監獄脱獄時には、自身より高額の賞金首(アルビダ曰く「どっかで見た顔ばかり」)である囚人たちを、ギャルディーノとの脱獄騒ぎの中で多数解放した。
更にこれまで秘密にしていた『ロジャー海賊団の元船員』の経歴が発覚し、
その評価が天井知らずとなる。
直後のマリンフォード頂上戦争においても、世界的に名を馳せた超大物人物らと同時に参戦した事で、世界的にその存在を示す。
更に戦争序盤では白ひげから同盟を持ち掛けられ、戦争終結間際には赤髪のシャンクスと気安く接したのもあって、彼に就いてきた囚人たちに完全に崇拝される。
その結果、彼らからは「キャプテン・バギー」と慕われ、脱獄後も彼らを自身の傘下として従えている。
ただし彼個人を見ている者たちからは、きちんと本来の力量を見抜かれており(革命軍幹部のイワンコフ曰く「どんな船にも汚点はある」)、
世間で言われるほどバギー自身は強くないと理解されている。
バギーズデリバリーに属する海賊はほとんどがバギーよりも実力が上(何なら四皇の最強格に「海軍と同時に相手にするには厄介」と判断される程度には実力がある)であるため、
バギーにそれほど実力が無い実態を見抜いているメンバーも少なくないだろう。
また、インペルダウンからマリンフォードへ向かう道中では、
頂上戦争への殴り込みが目的であり、自分たちもその戦力として加えられている非常事態に気が付いたためとはいえ、
バギーを担ぎ上げて反乱を起こそうとした実例があり、決して納得のいかない事態でも唯々諾々と従うような面子ではない。
それでも謀反を起こされた形跡がない辺り、よっぽど担いでいて気持ちのいい御輿なのだろうか。
良くも悪くもノリが良い上、(何度かダメージを受けた後にも)あれこれ騒ぎつつ行動再開するのが早い。
そんな精神面のしぶとさ一点に関しては(理由はどうあれ)底知れないところがある他、
バギーズデリバリー運営時点では構成員の生活を優先してクロコダイルへの借金返済が滞ったなど(結果的にだが)下の者への配慮を忘れない面も備えてあり、
それらが彼のカリスマに繋がっているのかもしれない。
尚、頂上戦争において”鷹の目のミホーク”はルフィの事を「その場にいる者達を次々に味方につける。この海において、最も恐るべき力を持っている」と分析していたが、これはインペルダウン編以降のバギーにも当てはまっていたりする。
彼の言葉を借りるなら、このカリスマ性こそがバギー最大の力と評価できるだろう。
後に敗れた四皇が、『他者を恐怖で従える絶対的な力の持ち主』だったが故に「頭目一人を失えば終わり」と内部からも評されていた事実を考えると、
『明らかに能力に劣るリーダーを、強力な部下が好き好んで支える集団』の形になっているのはまさに好対照である。
バラバラの実について考察
体の各部を自在に分離ができる、斬っても斬れない「バラバラ人間」。
切り離した体のパーツは自在に操るのが可能で、空中に浮遊させたり、
それぞれに別々の動きをさせたりするのもお手の物。
ただし、全てのパーツは「足」を絶対の基点としており、
操作できる範囲は地面に付いている自分の足を中心とした一定の範囲内に限られ、
その範囲の外に出てしまったパーツはピクリとも動かせなくなる。
尚、その制約の関係で足だけは浮かべられず、
完全な意味で全身を浮かべたり、
体だけ飛ばして遠くの島まで飛んで行ったりはできない(足を誰かに持ってもらえば、ある程度フォローできる模様)。
体の分離と接合が自由自在であるため、刺突斬撃に対して滅法強い防御力を持つ。
首を横一文字に斬られようが、斧で頭を割られようが、切断されたと思った次の瞬間には元通り。
覇気を用いられれば流石に分からないが、世界最強の剣士“鷹の目のミホーク”の斬撃で細切れにされても即座に復活していた(ただし、頂上戦争での交戦で斬撃が通用しないことを見抜かれたミホークには、自身の攻撃を返されたり、ある一件の際には刀の峰による殴打などで対応されている)。
SBSによればドフラミンゴの鳥カゴからも脱出できるらしく、インペルダウンに投獄された際も自分が能力者であるのをひた隠しにし、
隙を突いて体を分離合体させ、牢の鉄格子の合間をすり抜けて脱走した模様で、こと斬撃に対しての守りは絶対的と評価できる。
一方で「面」による攻撃には比較的弱く、打撃を得意とする敵に懐まで跳びこまれると分が悪い(この点はなにかと縁のあるルフィの「打撃には滅法強いが刺突斬撃には弱い」体質と対になっている)。
また、上述の「足」を基点としている能力の制約上、足場から落ちれば能力の行使が満足に出来なくなる。
更に、分離していても痛覚の類は全てのパーツで繋がっている性質上、
飛べない足を狙われると非常に弱い。
煙や砂を始め斬撃を伴わない自然系による広範囲攻撃も苦手で、本人も「弱点だらけ」と作中で毒吐いている。
ただ、本編で千両道化のバギーとして登場した時は、自身を大きく派手な出で立ちに見せるかのような暗幕を使っていたため、
一応足の場所を特定されて狙われるリスクなどをある程度補うのには成功した模様。
また当然ではあるが、飛ばしたパーツの自由を奪われる(ロープで縛られる、閉じ込められるetc・・・)とパーツの回収が出来なくなり、
回収できたパーツによっては2頭身ほどになってしまう。
Netflixで制作された実写版では、
能力によって切り離した耳をルフィの麦わら帽子の紐飾りの間に潜ませて、
ルフィ達の動向を把握しており、諜報活動にも能力を活用している。
戦闘においてもゴムゴムの銃で殴られたパーツが、
バギーの体からすっぽ抜ける形で攻撃の受け流しに成功しており、
面の攻撃に対してもある程度の耐性をつけている。
さらにバラバラになるパーツの細分化で多方面からの奇襲を行うなど、
下手したら原作よりもバラバラを使いこなしている。
覇気については未だ体得しているのかどうかは不明だが、
元ロジャー海賊団の見習いとして新世界を生き抜いた程の実力者である経歴から、
少なくとも基本的な二種類の覇気(武装色、見聞色)は体得しているかもしれない。
また、読者の間では「覇王色も使えるのではないか?」と推測する声も出ている。
が・・・本人の基礎戦闘能力は初期からあまり成長しておらず、素質はあったとしても、使いこなすのは現時点では不可能であろう。
ちなみに、単純な腕力はシャンクスどころかロジャー海賊団の中でも上位。
巨漢のジンベエ+ルフィを抱えて軽々と移動できる上に軽く投げ飛ばせるパワーがあり、
ロジャー海賊団時代には身長より巨大な斧を振り回していた。
武器と技について
見習い時代からナイフを主たる武器として多数隠し持っており、
これをバラバラの実の能力や投擲によって飛び交わせ、相手を切り刻む戦法が得意。
更に切り分けた自分のパーツを飛ばし、直接相手にぶつける援護射撃も行い、四方八方から圧倒的物量で相手を攻め込む。
また、大砲を用いたド派手な破壊活動を好むので有名で、
大規模な戦闘では噂に違わぬ砲撃のオンパレードで、敵対者を周囲諸共に吹き飛ばす。
”特製バギー玉”と呼ばれる特殊な砲弾を用意しており、
その爆発は家々を薙ぎ倒し、小さな村程度ならたった一発で滅ぼせると称され、
通常の砲弾とは比べ物にならない程の壮絶な威力を誇る。
更にインペルダウン編においてはその威力を殺さずに、
靴先に仕込める程に小型化した”特製マギー玉”の開発に成功、切り札として使用している。
インペルダウンでこれを聞いたギャルディーノは「自身の名前をつける辺りよほどの自信作なのだろう」と思っていたが、
いざ披露すると「マ」ギー玉になっていたので「名前変わっとるガネ!!!」とツッコミをいれた。
一部ゲーム作品などにおいては、この“特製バギー玉”及び“特製マギー玉”がバギーの必殺技やアイテムとして登用されているケースが多く、
双方共にバギーの代名詞としてよく知られている。
- バラバラ砲
手や腕を本体から切り離し、相手にけしかける。
そのまま殴ったり、ナイフで刺したり、掴みかかったりと臨機応変に使える。
腕ごと発射して、止められても即座に手を切り離して攻撃を加える「バラバラ砲 切り離し」や低空飛行で相手の足元を狙う「地をはうバラバラ砲」などの派生技もある。
※アニメ版にて、”腕を飛ばすパンチ”に「バラバラパンチ」と口にしていたが、要するにこのバラバラ砲と思われる。
- バラバラせんべい
靴の仕込みナイフを展開した状態で、下半身を回転させながら発射する。
本来バラバラの実の制約上、足は宙に浮かせられないはずだが、この技を使用する時は普通に飛ばしている。
- バラバラ緊急脱出
本体から首を切り離して敵の攻撃を回避する。
首から上は基本的に人体の急所であり、そこへの攻撃を回避できるのはある意味で理に適ってはいるが、首から下の本体は完全に無防備であり、そこに向けて攻撃されると弱い。
- バラバラフェスティバル
全身を細かく分離し、その全てを操りながら相手を襲撃する。
ただし能力の制約上、足だけは飛ばせない。
勿論痛覚も繋がっているので、その足を狙われると弱い。「その気になれば分離する部位の数や大きさは自在」との弁だが、
余りに細かく数多くし過ぎると、範囲内でもコントロールが利かなくなるのでしないらしい。
- 空中錐揉み大サーカス
捕まえた相手を切り離した手で空高く連れ去り、地面へ向けて錐揉み回転させながら投げ落とす。
人間相手や地形の条件によっては強力な技となり得るが、インペルダウンのブルゴリ相手にはあまり効果が無かった。
- バラバラキック
アニメ版のみ登場。上半身を浮かせた状態となり、下半身で相手を蹴る。
- バラバラカーニバル
アニメ版のみ登場。相手の延髄にダブルスレッジハンマーを叩き込む。
直前の描写では上半身を浮かせていたが、
本技の際には既に全身くっついているように見える。
だとすれば「どこが”バラバラ”なのか?」の話なのだが・・・。
ロックスとの共通点
かつて自身も抱いていた「海賊王になる」夢は、
隣にいたシャンクスがあまりにも有望株だった(幼少期のバギーが優秀なシャンクスに劣等感を抱いている描写から、
一部から「数少ないシャンクスに勝っている分野だった『泳ぎ』を失ったのはバギーにとって相当痛恨だったのではないか?」と見る推察もある)ために諦めており、
ロジャーの望みもシャンクスが後に続くものだとバギーは信じていた。
しかし、ロジャーが処刑=凱旋を遂げたあの日、当のシャンクスは「(本人的には「今の世界にはまだ早い」の意味だったが)目指すつもりはない」と語り、
その発言に「(見損なったぞシャンクス・・・お前じゃねぇのかよ次代の王はよ・・・ロジャー船長の望みは、お前が後に続く事じゃねえのかよ)」と失望、
バギーは直後の勧誘を「(海賊王を目指さねェ)おめェの部下なんかまっぴらだバーカ!」と蹴って完全に袂を分かったのである。
この回想から、シャンクスの『ラフテルを目指すつもりはない』発言さえなければバギーはシャンクスについて行く気があったのを意味する。
バギーの「おれの宝の地図」とはもしかしたら、
あの日海に消えたモノではなく「シャンクスとともにラフテル(ひいてはワンピース)に辿り着く道筋」を指していたのかもしれない。
だが、二十年以上経った今になってかつての盟友が突然動き出し、
例え運でも偶然でも事故でも四皇として比肩できた今の状況から、
バギーもまた失っていた夢を再燃させ、本気で海賊王を狙う想いになっていたのである。
内心の不満が頂点に達し、ついにバギーの堪忍袋が爆発。
「も゛う・・・おれを殺したきゃ好きにすりゃいいが・・・お前らそれでも海賊か!? 半端なもん求めやがって! 回りくどい事してんじゃねェよ!!」
と一喝、シャンクスが動き出した現状「ラフテルには訳あって行った事がない」「昔シャンクスがあまりに有望だったからと夢を捨ててしまった」との無念を語りながら、
今は運にしろ天命にしろそのシャンクスと肩を並べられるところまで来ている、「だったら俺が海賊王になりたい」と涙ながらに力説するバギー。
当然「平穏」と「計画性」を重視する両者には「何の準備も計画もない」「赤髪、黒髭、麦わら、全員と戦えとでも言うのか」と文字通り一蹴されるが、
このままこんな野心を失った奴らに飼い殺しされる位なら「もはや殺されようが構わない」と覚悟を決めたバギーは「出し抜きゃいい、お宝は争奪戦だ、みてろ・・・この言葉の持つ熱量を・・・! みんなコイツを求めて海に出たのさ!」と宣言
(ちなみに作中ではこれまた元七武海のゲッコー・モリアは「本物の海賊には死さえ脅しにならねェ!!」と発言している事から、正しくこの時のバギーは強さを除けば名実ともに本物の海賊になった瞬間と言えよう)
止めようとした両者の暴力にも屈せず、踏みつけられながらも電伝虫を介してクロスギルド全員に布告した。
「なァお前ら!!!お前らよォ!!!・・・何を求めて海へ出た!?」
「次の瞬間死ぬかもしれねェお前らの命は叫んじゃいねェか!?」
「現状に甘んじた腰抜けどもよ!一番欲しいものに手を伸ばせ!!!お前らにはおれがついてる!!!」
「取りに行くぞォ!!!”ひとつなぎの大秘宝”!!!!」
あまりにも眩しいバギーの海賊王宣言に感極まる船員達、
彼等も届かぬ現実に折れ、夢を捨ててしまった者達であった、
そんな彼等には伝説を生きる男の宣言はあまりに熱く力強いものに聞こえたのである。
この瞬間に、クロスギルドの操縦桿及び全決定権と指揮権は完全にバギーのものとなり、
全員に火を点けてしまった手前、ここでバギーを排除すれば折角ここまで育てたクロスギルドは空中分解(解散)し、致命的に出遅れるのは明らかであったため、
ここにきて「いつでも排除できる捨て駒兼スケープゴート」が「絶対に失えない鬼札」と化してしまい、バギーより強い「だけ」のミホークやクロコダイルはこの状況を止める術を持たず、バギーの夢に強制参加させられる事態に陥ったのだった・・・。
尚、ユースタス・キッドがかつてシャボンディ諸島で新世界を「『”ひとつなぎの大秘宝”を手に入れて海賊王になる』と宣言する度胸の無い者が死ぬ海」と称したのを考慮すると、
バギーはそれを宣言した結果、傀儡として終わり兼ねない運命から抜け出す一歩を踏み出したのである。
余談だが、この時の『バギーVSクロコダイル&ミホークのやり取り』は、
極一部の読者から「『イーストブルー編のウソップとキャプテン・クロ』を彷彿させた」と評されているとか。
インペルダウン脱獄後「なんかの間違いで白ひげのクビを取った日にゃ俺はたちまち四皇!? いやさいきおいあまって海賊王!?」などと都合のいい皮算用をしていたバギーが誤解と豪運だけで四皇に成り上がった現状から、
一部の読者から「真の海賊王はルフィ、表向きや歴史上の海賊王はバギーになるのではないか?」との考察が盛り上がっている。
確かにロックスがめちゃくちゃ強いとは言われてない。
周りが強すぎて勝手にロックスも強いと思い込んでたけど。
そしてゴッドバレー事件で天竜人からはシャンクスを、
ロックス海賊団からはバギーを引き取ることになったと。
可能性のない話ではないと思う。
ここまでロックスの戦闘描写や強いという証言もないから、
今のバギーのように超強キャラを引き連れていただけの可能性もある。
確かにそんなに強いならなぜ白ひげ、ビッグマム、カイドウは普通に海賊やってたのに、
ロックスだけ居ないのかという疑問も、本人は強くなかったと考えれば納得です。
バギーがロックスの息子だったら凄く面白いが、
そうなると、クロスギルドはロックス海賊団の再来になります。
名前もロックスとクロスで似ています。
という仮説みたいなものだと思いますが、
私は十分に可能性があると思います。
なにしろ戦闘描写がないため、
バギーに似た境遇だから(バギーの親っていう考察もある)
バギーの部下はバギーを強いと思っている、
ロックスの部下(カイドウ)はロックスを今でも強いと思っている、
でもたぶんカイドウもロックスと直接戦ったことはない。
確かにぶっ飛んだ考察ですが、
ちゃんと筋が通ります。
しかし、ロックスはある程度の強さとカリスマはあったと思います。
じゃないと白ひげがなんだかんだで認めて付いてかないと思いますし、
ウオウオ食べる前のカイドウでもそれなりの強さあったでしょうし、
リンリンや他面子も自分より弱かったり、ある程度実力ない船長には利害の一致と言え、
従わないと思います。
ルフィみたいにロックスは自由奔放だったのではないかと思ってます。
(目的より別の事を優先するタイプだったらしいですし)、
なにより、ロックスかいくら強くてもそのロックスの子供が強いとは限らないので、
もしかしたらバギー説もあり得るかもですね、
カリスマ性はバギーありますし。
個人的見解ですけど、バギーみたいな運で成り上がってるのも面白いです。
カイドウのシルエットで強者認定されてる説が根強いですが、
バギーみたいに勘違いされていてもいいかも。
当時カイドウはまだ若かったので、何か勘違いしていたという形も良いかな。