ライフワーク

チャーハンはパラパラよりしっとり派です

チャーハンが中華料理の基本と呼ばれる理由は、火の使い方、炒め方、鍋の振り方等々の中華料理に必要な基本が凝縮されているからです。

さらに、シンプルイズベスト と言われている様に、味付けや炒め加減に誤魔化しが効かないからです。

極めれば、中華料理の中でも一瞬のタイミングの違いで味が変わる難しい部類なのがチャーハンです。

そんなチャーハンですが世間的にはパラパラが人気ですね。

だが、自分が作るチャーハンは「しっとり」です。

まぁ、パラパラにするにはコツがあり、卵かけご飯のように、お米を卵に完全に混ぜきった後に炒めるとパラパラになります。

その際に火力を最大にするのがコツです。

ただ、家庭は中華屋さんより火力が弱いので鍋を充分加熱して水分を飛ばすようにし、具材は細かく切ってあらかじめ炒めた物を仕上げに加えるようにしたら温度が下がらないようにする必要があります。

一般家庭用のガスコンロは火力が弱いので、鍋を振ってはいけません。

中華鍋より底が平らなフライパン(まんべんなく火を通したいので)の方がいいです。

ちなみに、チャーハンとは四川料理です。

なので北京料理や上海料理、香港料理などまるで違います。

更に日本のチャーハンとまるっきり中国のチャーハンは違います。

中華料理人と言っても日本の中で勝負をする中華料理人はチャーハンを作れないと失格ですが、本場中国ではチャーハン作れない中華料理人などいっぱいいます。

皆さんが想像するパラパラ炒飯は、水分が抜けたスカスカの炒飯なんです

パラパラの炒飯が良い炒飯だなんて誰が言い出したのかはわかりませんが、中国料理を理解していない人が勝手に言い出したんでしょうね。

確かに、米ひと粒ひと粒がほろっとほぐれるチャーハンは最高なんですが、あくまでもしっとりとしていて、ふっくらとしているという厳しい条件付きです。

つまり、出来立ての炒飯に蓮華(中華スプーン)を入れると、フワァっと入り、ホロっと崩れる感覚です。

それがベストなんですが。

なかなか自分に合う店がないのが現実。

火加減と炒めるタイミング、鍋の扱い方や味付けにおいて『炒(チャオ)』の調理法の原点でもあり、ゴールでもあります。

つまり炒飯は炒めものの基本で、最も簡単な料理なのですが、たとえ熟練者であっても最高の炒飯はなかなか作れません。

私も結構いい歳になりますが、これまでに満点をつけられる炒飯は2回だけしかお目にかかっていません・・・。

作るのは簡単、でも美味しく作るのは難しい

簡単なものほど難しいってヤツですね。

「チャーハン簡単だから今日チャーハンでいいや」という気持ちで作ったチャーハンと、「今日は時間があるからこだわって作ってみよう」ではきっと後者の方が美味しく作れるはず。

実際に皆さんが良く言う『パラパラのチャーハン』ですが、大抵はパラパラを通り越してボソボソなのが現実。

炒め過ぎて米粒から水分が抜けちゃっていたりします。

米の中に水分を残したまま、一粒一粒がくっつかない様に炒めたのがパラパラで、食べた時に米がふっくらとしてないと駄目なんです。

口で言うのは簡単ですが、実際に作ってみると中々出来る物では無いですよ。

また、味付けは塩のみですし。

例えば野菜炒め(もしくは類するもの)が出てきたときに、皿の底にたれ以外の液体(野菜等から出た汁)があるようでは加熱のしすぎ。

その店の料理人は火加減が把握仕切れてないと言うことになります。

中華料理は火と油の芸術と称される通り火加減が重要になっています。

なので炒め物を見るとある程度腕が解るというのはあながち間違いではないのです。

中華料理店では、火力と油でパラパラにしているのです

=チャーハンの作り方=

①中華なべを火にかけ、油をいれる。(強火)

②煙がでてきたら、とき卵をいれる

③卵をいれてからすぐにご飯をいれ、炒めます。 (ご飯の塊はおたまの背でトントンと押すようにするとお米が割れません)

④お酒を大さじ1ぐらいいれる。ごはんがふっくらします。 (蒸発するのでべちゃべちゃにならないです。安心してください)

⑤葱、焼き豚、紅しょうがなどの具をいれる。(おこのみで)

⑥これも素早くいためて火が通ったと思ったら、調味料をいれる。 (私は、いろいろな調味料で味付けを試してきましたが、オイスターソースと塩がおいしいです) 自分の好きな味にしてください。

=ポイント=

★家庭用コンロの火力には限界があるので、最高でも作れるのは1人分です。

★油はケチらずに、たっぷりいれる。 (ちなみに、私はごま油で作るチャーハンが一番おいしいと思ってます。いろいろためしてみてください)

★ご飯は、冷えているご飯をあたためて使うと良い。炊きたてだと水分があってパラパラになりにくいです。

★炒めているときは手を休めてる暇はない。素早くやらないとこげます。 (火力が強火でも、火力の弱い家庭用コンロだと、こげないかもしれませんが)

★家庭用のコンロはあまりふらない。温度がさがってしまいます。

★材料はすぐにいれられるように準備をしときましょう。

★とにかく素早くやること。

私はこの調理方法でパラパラでしっとりなチャーハンが作っています。

混ぜるときはヘラを使って、潰さないように混ぜます。

そして、具材は均等に切り、塩コショウで味を決めたら、醤油は最後に。

とにかく卵投入→ご飯投入→かき混ぜる、の行程を手早くやる事です。

卵がまだ固まらない内にご飯を加えてかき混ぜ、ご飯の一粒一粒の表面に卵がまとわりつく様にすれば、卵の蛋白質が油を弾き、ご飯がベチャッとしないパラパラのチャーハンになるんです。

またかき混ぜた後はご飯を鍋底に押し付ける様に拡げて、炒めるでは無くてまさにご飯を焼く様にして、それを解してかき混ぜたらまた同じ様に繰り返します。

それから他の具材を加えて味付けを施し、後はとにかく手を止めずにかき混ぜかき混ぜすればパラパラでしっとりのチャーハンになります。

まぁ、それでも業務用と家庭用のガスが根本的に火力が違います。

ぱらっとしたチャーハンを作るには、もたつかず一気に仕上げるのがコツですが、材料を同じように合わせても、火力まではまねはできないと思います。