ライフワーク

紅白出場のLiSAが歌う紅蓮華の歌詞と意味

「紅蓮華」はLiSAさんの15番目となるシングル。

MVはないのですが、主題歌となるアニメのPVでサビを聞くことができます。

ピアノの導入から一気に展開される、

痺れるようなベースの音色が最高にカッコイイです。

彼女は“鬼滅ブーム”以前から、アニソン界では知らない人がいないほどの実力派シンガー。

今回は、そんなLiSAの必聴曲「紅蓮華」、をご紹介したい。

このメロディは、LiSAさんご本人やスタッフさんまでお気に入りの箇所がある程。

数々の名曲を手掛けてきたLiSAさんがそう仰るのですから、

「紅蓮華」も名曲にならないわけがありません。

そんな「紅蓮華」ですが、歌詞もまたとても深いです。

紅蓮華の歌詞

つよくなれる理由りゆうった ぼくれてすす

どろだらけの走馬灯そうまとうう こわばるこころ

ふるえるつかみたいものがある それだけさ

よるにおいに空睨そらにらんでも

わっていけるのは自分自身じぶんじしんだけ それだけさ

つよくなれる理由りゆうった ぼくれてすす

どうしたって!

せないゆめも まれないいま

だれかのためにつよくなれるなら

ありがとう かなしみよ

世界せかいちのめされてける意味いみった

紅蓮ぐれんはなほこれ! 運命うんめいらして

イナビカリの雑音ざつおんみみす 戸惑とまどこころ

やさしいだけじゃまもれないものがある? わかってるけど

水面下すいめんかからまる善悪ぜんあく けてえる偽善ぎぜん天罰てんばつ

逸材いつざいはなより いどつづいた一輪いちりんうつくしい

乱暴らんぼうめられた トゲだらけのみち

本気ほんきぼくだけにあらわれるから えてみせるよ

簡単かんたん片付かたづけられた まもれなかったゆめ

紅蓮ぐれん心臓しんぞうやし この宿やどってる

人知ひとしれずはかない りゆく結末けつまつ

無情むじょうやぶれた 悲鳴ひめい風吹かぜふ

だれかのわらかげ だれかのごえ

だれもがしあわせをねがってる

どうしたって!

せないゆめも まれないいま

だれかのためにつよくなれるなら

ありがとう かなしみよ

世界せかいちのめされてける意味いみった

紅蓮ぐれんはなほこれ! 運命うんめいらして

強さを求めて

 

「紅蓮華」は、強さを求めて戦いに身を投じる「僕」という主人公の姿を描いています。

勝つだけでなく負けること、そして辛いことを肯定的に捉えているのが特徴的。

聞いているだけで前向きな気持ちになれます。

出だしはピアノの音色と共に穏やかな歌声から始まります。

後半の「僕を連れて…」から語気が強くなるのが、一層迫力を感じさせますね。

今までそこにあった平穏な日常が、一転して戦いに巻き込まれていく様を表しているようです。

1番はこの歌詞はある意味のキーポイントになっているように思えます。

この言葉は誰かにお願いしているのではなく、自分自身に言っていると解釈した方が自然かもしれません。

強くなるため、自分の心と共に走り出そうとしているのではないでしょうか。

この歌詞をアニメ「鬼滅の刃」に当てはめて見てみましょう。

主人公の炭治郎は、家族が鬼に襲撃された日から生活が一変します。

しがない炭売りの少年が、鬼殺隊として成長していきます。

それもこれも、鬼にされてしまった妹のため。

歌詞の通り、彼は家族のために強くなっていきます。

弱気になる時も

 

走馬灯とは影絵に使われる灯りのことです。

本当に走馬灯の影絵を見ているわけではなく、夕日やたいまつの光のことのように思えます。

その光に照らされた影があるのでしょう。

3行目も合わせて、少なくとも時間はかなり遅いものと推測できます。

それを見て恐怖を感じる主人公。

恐らくそこは、戦場なのかもしれません。

どんなに怖くても、立ち向かわねばならない状況です。

生き残るためにも、強くなるためにも。

その先にあるものをつかみ取るために、「僕」は戦います。

待っていても決して誰も助けてはくれません。

ここで思い出すのがアニメ第1話における富岡義勇の名台詞

「生殺与奪の権を他人に握らせるな!」

つまり自分の命は自分で守れということです。

この台詞が皮切りとなり、炭治郎の戦いが始まります。

悲しい時期も無駄にならない

 

1番とラストのサビです。

途中には辛いことも悲しいことも沢山あります。

それは、諦めさえすれば感じずに済むのかもしれません。

しかし、やめずに苦しいことを受け止めていれば、その先に強さが手に入ります。

その強さは自分のためのモノではなく、誰かを守ったり笑顔にしたりするためのモノのようです。

大切な人のために強くなれるのであれば、ネガティブな感情ですらも感謝を感じられる。

そんなふうに思える時点で、「僕」は十分強い人間であるように思えます。

悲しいことや辛いことに感謝できるのは強いからできることではないでしょうか。

負けることも嫌なことも無駄ではないと感じられるのは、簡単にできることではありません。

それを知った時、運命が見えてくるのでしょう。

このことはアニメ「鬼滅の刃」の主人公、炭治郎にもいえます。

彼はどんなに絶望的な状況に立たされても、それを跳ね返すタフな精神の持ち主です。

妹や、出会った仲間のことを思えばどこまでも強くなれる性格だといえます。

素直で誠実な彼だからこそ、底なしの強さを持てるのでしょう。

作中でも強さの反面、誰かへの感謝や思いやりを忘れることはありません。

炭治郎は持ち前の実直さから、逆境にさえ感謝して前に進みます。

旅路の道中は茨の道

 

このシーン大好きです・・・。

辛いことや苦しいことを受け入れても、それがなくなるわけではありません。

そこから立ちはだかる壁に対して、「僕」はどんな気持ちで対峙するのでしょうか。

2番からはメロディも変わっているところがあり、LiSAさんがお気に入りというところもあります。

1番とはまったく違う曲調の展開も、「紅蓮華」の魅力です。

アニメバージョンでは聞けないところなので、是非フルサイズで聞いてみたいところですね。

才能よりも努力する大切さ

 

強くなる戦いは、相変わらず厳しいもの。

大切なものを守るために、時には心を砕かないといけないこともあるようです。

どんなことでもそうかもしれませんね。

甘いと足元をすくわれてしまいます。

公式ブログによれば、下2行の歌詞はLiSAさんお気に入りの歌詞と曲調なのだそうです。

ラップのようなテンポの速さで、善と悪の複雑さを言葉遊びも交えて巧みに歌い上げています。

善と悪は光と影のように真逆のモノに見えて、意外と混じりあうことが多いものです。

良いことに見えて実は悪いことだったり、一見すると悪事に見えることが実はとても良いことだったり。

3行目の「偽善」という言葉があるように、とても難しいことです。

それを経験し、挑戦した方が才能だけの天才よりも素晴らしいものが得られるのでしょう。

「1%の才能と99%の努力」という有名な言葉を思い出します。

ちなみにここの歌詞では、「花」に触れています。

花といえば、タイトルの紅蓮華もまた植物の1つです。

文字通り、赤い蓮の花を意味します。

仏さまや極楽浄土を思わせる蓮の花ですが、その色には情熱をたたえます。

ちなみに、地獄を意味する「紅蓮地獄」という言葉にも用いらる紅蓮華。

つまり1つの言葉の中に表裏一体の2つの印象が含まれているということです。

ここでいう蓮の花は炭治郎の優しさ

そして紅に染まったその色は鍛え上げた強さといえるでしょう。

元からのセンスではなく努力で成長した炭治郎を思わせるイメージの象徴です。

過去を背負って今という現実を生きる

 

本気で挑むことで、立ちふさがる試練も手ごわくなります。

私達の日々もそうですよね。

仕事にしろ、恋愛にしろ。

逆に考えれば、手ごわいことは自分が本気で挑み続けられている証拠。

だから乗り越えるやる気が俄然湧いてきます。

そのやる気は、今までの辛いことや挫折した過去もあるようです。

上手くいかなかったことや諦めるしかなかったことも、全部これからの未来に繋がっていきます。

ちなみにアニメ「鬼滅の刃」では、全ての話がハッピーエンドではありません。

1人残らず鬼から救い出し、勧善懲悪を徹底した物語ではないのです。

時には犠牲者が出て、加害者である鬼にすら悲しい過去があることもしばしば。

心優しい炭治郎は、様々な人の悲しみや過去に触れます。

そして鬼にすら同情の目を向け、それでも歯を食いしばりながら刃を振るうのです。

こうした全ての出来事が、今の彼には宿っていることでしょう。

歌詞の通り、彼の感じた無念は今も脈々と心で息づいています。

そしてさらなる強さへと導いてくれることでしょう。