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【将棋の神様】羽生善治さんが凄すぎた

羽生善治さんといえば言わずと知れた将棋界のスーパースターである。

七冠同時戴冠。そして永世七冠。

将棋界で誰も成し遂げたことのない数々の記録は、枚挙に暇がない。

そしてそれは現在でも更新され続けている。

48歳にして、羽生は未だ将棋界の最高位タイトルである『竜王』を保持している。

それどころか、27年間にもわたってタイトルを保持し続けているのだ。

一度も途切れることなく。

“羽生永世七冠”がどれだけすごいのかについて述べていくわけですが、困るのが呼び名です。

羽生永世七冠、羽生新竜王、羽生十九世永世名人…いずれも正しいのですが、漢字がやたらと続いて重いので、「羽生さん」とします。

フィギュアスケートの羽生結弦選手は「羽生くん」と表記されるのに対し、羽生さんは昔から「羽生さん」ですね。

ちなみに、今回羽生さんが奪取した“竜王”は、7つのタイトルの中でも“名人”と並ぶ最高峰のタイトル。

「竜王戦」の前身の「十段戦」「九段戦」とあわせると、名人戦に次ぐ歴史を持つ棋戦です。また、各メディアがとりあげているとおり、将棋界で最も多く賞金の出る棋戦で、竜王獲得で4,320万円の賞金が出ます。

なんと、負けても1,620万円! 2016年度の「年間獲得賞金・対局料金ベスト10」で「10位」の深浦康市九段の年間獲得額が「1,849万円」。

竜王戦の挑戦者になった時点で、140人強のプロ棋士の中で、トップテンに近い金額を稼ぐことができます。(挑戦者になるまでのトーナメントでも賞金が出るので、確実にトップ10にランクインします)。凄いっ!

国民栄誉賞を受賞している

“永世七冠”は“瞬間”ではなく“積み重ね”による偉業。

常に同一タイトルを連続で持ち続ける、もしくは獲得を続けない限りなしえないことです。

そもそも、140人ほどがひしめくプロ棋士の中で、タイトル戦の挑戦者になること自体が棋士人生の中で一度、二度あるかという世界において、“タイトルに挑戦し続ける、さらに獲得・防衛し続ける”というのは尋常ではないこと。

国民栄誉賞も納得。

羽生は、勝利を確信したとき手が震えだす

羽生さんは、自分の勝ち筋が見えた時、我に返って手が震えだすんです。

これは40歳を越えてからのこと。

幼い頃から将棋を打っている人なのに、ここまできてもまだ勝利に興奮する。

それがすごい。

解説者も羽生さんの手が震えるのを見て、「これは勝つんじゃないですか」と気づくほど。

1995年から2014年までの20年間に拡張しても、延べ140人のタイトルホルダーのうち、半分以上の72人が羽生さんである。

また、獲得賞金・対局料ランキング首位に23回(93~96, 98~12,14~16,18)なっている。

惜しくも2013年は渡辺明に抜かれたものの、14年連続で1位を記録する。

26歳でチェスを始め、2年後に日本一に

羽生は26歳で趣味としてチェスを始めました。

月1回チェスの練習をして2年後に大会に参加、初出場で日本一になりました。

しかも、その大会は将棋のタイトル戦の翌日のこと。

一度の対局で何キロも体重が減ってしまうほどのハードなタイトル戦の翌日に、チェスの大会で優勝してしまうなんて、凄いとしか言いようがありません。

チェスの実力はレイティングで測る。以下のような感じ。

800~1200 初心者
1201~1700 中級者
1701~2000 上級者
2001~2300 超上級者
2301~2400 セミプロ
2401~2499 IM(インターナショナルマスター)←羽生さん2404
2500~ GM(グランドマスター)
2700~ SGM(スーパーグランドマスター)
2800~ 世界トップレベル
2882  現世界王者(歴代最高値)

2007年5月の時点で羽生さんのレイティングは2404と日本国内1位。

羽生先生の場合、フランスやアメリカなどの公式大会に参戦する機会さえあれば、連続して好成績をあげて、「インターナショナルマスター」の称号を獲得することは可能だと思います・・・。

なぜなら、レーティングポイントだけではインターナショナルマスターにはなれません。

①外国のインターナショナルマスターやグランドマスターが出場している公式大会に2回以上優勝、あるいは好成績をあげること。

②公式大会で、外国のインターナショナルマスターやグランドマスターに勝つこと。(自分と同じ国のマスターに勝っても評価が低いようです→八百長を避ける意味があるのかもしれません)

③この間、2400点以上を維持すること。

このような条件を満たせば、インターナショナルマスターの称号を授与されます。

単に、国内最高レーティングポイントだけでは推薦されないようです。

そもそも記憶力が異常

100人の小学生がプロ棋士と一気に対局を行う「百面指し」というイベントがあります。

羽生さんは、100人相手に次々に対局していき、100人の指した良いところと悪いところを記憶。

終わってから全員に指導してあげるんです。

この記憶力は、異常なほどのすごさです。

羽生善治名人が、記憶力が上がる秘訣について明かしている

何かを1つずつ記憶するのではなく、一連の流れを理解するのが重要だという

羽生さんいわく、「感想戦(対局後に相手と一緒に行なう反省・検討のこと)で正確に再現したり、棋譜を覚えたりできるのは、一手一手で記憶するのではなく、一連の手順や流れで理解しているからです。好きな歌のサビを口ずさめば、自然とその先の歌詞が出てくるのと同じです」。

つまり、単体で覚えているのではなく、「アレの次はアレが来るから、その次はアレになるはずだ」「アレがあるということは、その前にはアレがなければおかしい」といった、法則性・連続性を踏まえて、ひとつひとつの「アレ」を記憶しているということ。

「法則性や連続性、継続性を知ること」が記憶力を上げる秘訣とのこと。