オオイヌノフグリはイヌノフグリを絶滅目前に追いやっている犯人とされている。
一般の人が目にして記憶しているものは決まってオオイヌノフグリ。
ごく希に、オオイヌノフグリの白花らしきものに遭遇することがある。
花全体の色素が抜けて純白になったのではなく、青ないし青紫色の条(すじ)は残っている。
またよく見れば花全体がうっすら青ないし青紫色を帯びていたりいなかったりする。
つまり、地色の青が薄くなって白っぽく変化したものである。
この白花オオイヌノフグリの花には奇妙な指摘がいくつかある。
まず目撃例が農地(畑)周辺に偏っていること。
つい先日まで白花なんかまったくなかった場所に突如出現すること。
通常の青花に比べてやや小さめな花が多いこと。
花弁(のように見える花冠の裂片)の間に隙間ができ、まるでフラサバソウの花のような姿になるものが現れること。
同一の株に、通常に近いほぼ青花と白花が同居することがあること。
突然変異と考えるには、その一帯でまとまって複数の個体が同時に変異しており不自然。
などである。
このようにオオイヌノフグリの花が白くなった原因は、除草剤が撒かれたためだろうと推察される。
数日後に同所を改めて確認してみれば、周辺の他の雑草も含めて不自然に枯死したものが現れているに相違ない。
花弁の枚数についてですが、私自身は”たいして気にしていない”のが正直なところです。
オオイヌノフグリに関しては花弁数は変化が少なく、ちょっとやそっと探したところでご指摘の三枚花には出くわさないはずなので、珍しいのではないかという気がしております。
なのですが、やすやすと花弁数が変異する植物もざらにあります。
”珍しいと喜んで良いのか、心配が必要なのか”は、植物の種類によるのではないでしょうか。
そこここに花弁の枚数が異なるオオイヌノフグリの花がたくさん咲いている、となれば異常事態ですよね。
種子を採取し、子も同じ性質を持つのか、とかちょっと調べたくなるほどに。
県立博物館の学芸員さんに”妙なもん見つけたで”とタレコミしてちょっと深く探りたくもなるかもしれません。
ごく希に見つかる、という程度でしたら”まあそういうこともあるだろう”くらいの話で私は受け流してしまっています。
オオイヌノフグリは帰化植物で「いたるところで雑草化」していますが、群落化した存在では、可憐ながらも鮮烈な「青い花」が満ち満ちて、圧倒されるほどの美しさを見せてくれます。
わが家にも(野鳥を介して)自然発生しますが、直射日光が当たり続けるような「ひなた」の環境に、自生し、繁茂しています。
あまりに美しく、壮観なので、自由勝手にさせていますが(草丈が数センチほどで、たちまち倒伏し匍匐して生長するので)さほど目障りな存在にならず、(ガーデニング用途では)ありがたい野草です。
当地(那須烏山市)では、真冬日になるような1月でも中旬頃には「他の花卉に先駆けて開花」し始めます。
殺風景な冬の庭に「彩り」をもたらしてくれる貴重な存在です。
厳冬中であっても日差しに恵まれれば開花します。
一日花ですが、たくさんの蕾をつけ、順次に開花し続け、5月下旬頃まで花が絶えずに楽しめます。
繁殖力が旺盛で生命力も強いので、一切の手入れは無用です(踏圧には「儚い」ようなので、開花期には立ち入らないようにしています)。
日照が低下し多湿になる梅雨時に「枯れ始め、地上部は消滅」していきますが、秋には発芽し、寒気とともに生長し、再び繁茂するので、年間を通じて手間いらずです。
ガーデニングでの好適な種との思いですが、在来種にとっては脅威の存在のようです。