この描写は範馬刃牙の板垣氏のよく使う手法に似ていますね。
ユピーの寄生獣後藤といい、メルエムによる東ゴルドーの城を侵略する時の兵隊のリーダー格をドラゴンボールの旧ピッコロが城を侵略して兵隊のリーダー格と出会うやり方といい、
富樫さんにも色々事情があるのね・・・。
まぁこの話し相手はキルアで確定かな。
ネテロがモラウ・ノヴと一緒にNGLに来た時、ネテロのバックに観音の絵が描かれてたけど、あれはキルアがネテロに持つイメージだと思う。
二度目のハンター試験の後、一時帰宅してミルキにヨーヨーをもらい、「発を開発中だから参考したいからじいちゃんの能力教えて」とか言ってゼノにドラゴンダイブを見せてもらって、ついでにネテロの強さの秘密についても教えてもらったんだと思います。
優しいじいちゃん。
電気の存在しない暗黒大陸でのキルアの活躍を心配する向きもあるが、発電機やスタンガンを持ち込めば済むだけの事。
文明や社会がなければ無力というのは、手ぶら縛りを課した場合のみ。
普通のハンターは愛用の武器や道具を揃えるもの。
超高性能のケータイ電話の存在を考えると、超小型の大容量バッテリーがハンター世界に存在してもいい気もする。
飽くまでカンムルは必殺技であり、ゴンのジャジャンケンと同じく乱用するものではない。
使用に際し回数と時間の制限と、充電の制約を設ける事は、実用を兼ねた合理的な制約と言える。
充電の原理は、キルアが電気を生み出す修行シーンが全てだろう。
自分のオーラと電気を融合するイメージでスタンガンを体に打ち込み、ためた電力を一気に放電するイメージで念を練るとしている。
オーラを電気に変化させるイメージの制約として電気を必要とするだけで、発電された電気は念で錬られたものだし、
キルアの体内かオーラに電気が実際に残り続けているとは考え辛い。
キルアは訓練により電気の痛みとショックに耐性があるだけで、ゴム人間のように無効化しているわけではないので、蓄電し続けていたら日常生活もままならないだろう。
充電の制約がキツいとする意見も見かけるが、ほどほどに緩すぎず厳しすぎない制約だと思う。
この制約があったからこそキルアは、遥か格上のユピーを一対一で圧倒する事が出来るまで成長できたのだろう。
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心滴拳聴の意味
心滴拳聴(しんてきけんちょう)の意味についてはどういった状況でどのような現象が起きるかというところから理解すると意味がわかりやすいです。
まず人は時間感覚の矛盾が起きる場合が明確にあります。
ハンターハンターの作品内ではゼノが走馬灯を例にして上げています。
ゼノ「死ぬって瞬間に時間が超スローになって自分の人生振り返る感覚があるじゃろ?」
このセリフは伏線となって実際にナックルとユピーの戦いでナックルがユピーの策略にはまって命を落としかけた時に経験しています。
キルアというかナニカがいれば何とでもなるのが現在のハンターハンターの作劇の難しいところで。
チートキャラは船上などに舞台を限定するか、能力を封じるか、殺して退場させるか、
不干渉の思想を持たせるなど物語に関わらせないようにするのが通例だけど、
キルアとアルカの住まう世界が危機的状況に陥ればナニカも出張らざるを得ない。
そして、パリストンはナニカの存在を察知しているから、そういう状況は作らないんじゃないだろうか。
あるいは、邪魔なナニカを標的にパリストンがキメラ兵を使う可能性がある。
正体の分からない5000人が念能力をコンボするかジョイントして攻撃を察知する間も命令する暇もなく襲撃すれば、さすがのナニカも勝てないだろう。
時間感覚の矛盾
人が経験する時間感覚の矛盾は実際にあります。
走馬灯は死ぬ時じゃないとわからないから実際にあるかの証明は難しいですが、ありえるかと思います。
おそらくナックルのように臨死体験をした人が経験して、それを伝えたのがきっかけなんじゃないのかなと思います。
例えば現実世界では交通事故などで臨死体験や生死をわける瞬間を経験した時に起こりえる感覚なんだろうなと思えるわけです。
私は偉大な覚醒者の1人であるマハトマ・ガンジーの生き方を尊敬していますが、ガンジーは暗殺されています。
彼は自分を理不尽にも殺害した犯人に対して、即死に近い状況だったにも関わらず「あなたを許す」というメッセージを残したとされています。
信じる信じないは人それぞれです。
この人は無茶苦茶強い人だなと思えるわけです。
ガンジーが残した名言の1つにそれを示す内容があります。
「弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは強さの証だ。」
人としての生き方が既にこの名言を裏付ける方なので、決して口先だけの人ではないのです。
私は罪は償えはするけど決して消えないという考えがあって、悔いてもいず、謝ってもいない人を許す領域は私にとっては未知の世界ですが亡くなる瞬間に何かを感じたのかもしれませんね。
他にも枕中記(ちんちゆうき)という中国の故事で「一炊の夢」という四字熟語も時間感覚の矛盾を表していたりします。
アインシュタインの言葉
かの有名な理論物理学者であり覚醒者でもあるアルベルト・アインシュタインの言葉があります。
「熱いストーブの上に1分間手を当ててみて下さい。まるで1時間位に感じられる。では可愛い女の子と一緒に1時間座っているとどうだろう、まるで1分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性です。」
この格言は男性目線になってますが、女性の場合は好みのイケメンとのデートに置き換えてもらえればわかりやすいかと思います。
強制二択がパリストンお得意のものだったって事は、ドキドキ二択クイズも多数決の扉もパリストン考案のものだったのかな。
いよいよパリストンの真の黒幕感が強い。
結局、一番厄介なのは人間の悪意だったっていうのは薔薇や念を見てもわかる。
人間国家の脅威度がA+だったか。
五大災厄すら、人間の殺意、欲望、快楽、寄生植物、ゾンビと人間ありきの災厄ばかりだし。
暗黒大陸は未開の地というよりは人間の出生の地で、人間世界とは暗黒大陸から脱出した人間が築いた平和な楽園で、番人とは人間を守る守護者なのではないか。
ビヨンドの未知への探究心は実はただの回帰本能で、人間世界で育てた知識と技術と念を暗黒大陸に持ち帰る事が本当のリターンだとしたら面白い。
実際、薔薇と四次元マンションのコンボで暗黒大陸も制圧できそう。
ノヴは使い物にならないので特質系貸与型能力者に能力を貸し出すといい。
という事で時間感覚の矛盾は普通に現実的にもありえるわけです。
相対性理論は核開発にも応用されてしまったという経緯があり、平和主義者のアルベルト・アインシュタインは苦悩しています。
ネテロが使った貧者の薔薇(ミニチュアローズ)も核がモデルとなっています。
武道における現象
時間感覚の矛盾は人間の感覚が研ぎ澄まされた時にも起き得る現象であれば、武道において何が起こるかという事です。
この時に相手が思っている事が聞こえてくるという現象が心滴拳聴(しんてきけんちょう)です。
超能力やオカルトっぽく表現するとテレパシーみたいなものですね。
スピリチュアルっぽく例えるとお告げみたいな感じです。
「心」こころの
「滴」しずくを
「拳」こぶしで
「聴」きく
という意味です。実際にハンターハンターの作品中では、このゼノが語り出している直前にネテロ会長の心の声をピトーが聞いて(聴いて)います。
「滴」だけ少し意味がわかりにくいですよね。
少し言葉を変えると「声」みたいな感じで意味がわかりやすくなりますが、おそらく「涙」の方がしっくりきますね。
このゼノが語った時間感覚の矛盾と心滴拳聴は伏線となり、この後何度も描写されることになります。
伏線が回収されたシーン
では実際にゼノが語った誰かに対して語った後に、時間感覚の矛盾と心滴拳聴(しんてきけんちょう)の伏線が回収されていくシーンを確認していきます。
この2つは対になっている場合と、時間感覚の矛盾だけが起きる場合に分かれています。
時間感覚の伏線の回収
ハンターハンターのキメラアント編ではゼノが伏線として語りだした「確かにある」という時間感覚の矛盾に関しての伏線はその後何度も回収されていき、物語が終わる際にも回収されています。
その内容を順番に見ていきたいと思います。
王宮への突入シーン
モラウのカウントダウンから始まって王宮に突入したゴン達ですが、ここから数十秒、そして数分間の間はまさに時間が凝縮された中でのシーンとなっています。
HUNTER×HUNTERのコミック26巻「No.271 分断」での時間経過をみてみるとほんの19秒ほどです。
0:00:18:56という事で19秒経たずに大階段でのユピーとの攻防があって、ゼノは既に「龍頭戯画(ドラゴンヘッド)」でネテロとメルエムを地下に核実験場がある場所まで運んでいます。
モラウは既にプフを監獄ロック(スモーキージェイル)で閉じ込めていました。
いわゆる読者が漫画を読む何倍もの速度でハンターハンターの世界の中では時間が経過しているという事です。
連載の休載もあるわけでして。
ネテロとゼノの西塔でのシーン
ゼノとネテロが円を使って王の下へ辿り着いた時に、コムギは血に染まっていました。
HUNTER×HUNTERのコミック25巻「No.268 王」でのシーンです。
血に染まる少女を優しく抱えるメルエムを見たゼノとネテロは時が止まりました。
そしてメルエムから戦う場所を変える提案をされた後に無防備な状態になってしまい、その時にメルエムが二人の間を横切っていますが、この時にも時間感覚の矛盾は起こっています。
この時の時間感覚の矛盾はゼノがシルバに対して怪鳥の上で話した会話で明確に伏線が回収されています。
HUNTER×HUNTERのコミック25巻「No.278 破産」でのシーンです。
「おお!そうじゃ。今日なレアな体験したぞ。時間がな。ぎゅ~~~~~~ッと凝縮されてな」
ゼノとシルバは王宮突入から約3分半で任務を終えて帰路についています。
ナックルが見た走馬灯
ナックルがユピーの策略にはまって自分が死ぬ事を理解した時に時間感覚の矛盾が起こっています。
実際には走馬灯を見たわけでなく、同じような感覚を経験したという事です。
HUNTER×HUNTERのコミック26巻「No.280 直撃」での描写です。
ウェルフィンの「コムギ」のセリフ
ウェルフィンがキメラアント編を終わらせるために呟いたセリフが「コムギ」です。
このセリフによってメルエムは記憶を取り戻します。
ウェルフィンの名前の由来といえる「well fin」は上手に終わるという意味が込められていました。
HUNTER×HUNTERのコミック30巻「No.313 一言」でのシーンです。
ウェルフィンはメルエムの記憶を取り戻す「コムギ」の一言を発しなければメルエムに食べられて死んでいました。
この一言を導き出すために脳細胞はめまぐるしく働き答えを導き出しています。
その直前に走馬灯も見ていて、死を意識して臨死体験をしているわけですが容姿も一瞬にして百余年が経過したように変わり果てました。
心滴拳聴の伏線の回収
心滴拳聴が起きる条件は誰かの戦いによってお互いに感覚や神経が研ぎ澄まされている状態で、時間感覚の矛盾が起きている時です。
心の滴が聴こえてくるのです。
ピトーが聴いたネテロの声
HUNTER×HUNTERのコミック25巻「No.264 突入④」においてゼノが「確かにある」と語り始める直前にまずはピトーがネテロの心の滴を聴いています。
ネテロ「受け攻めいくつか予想しとったが、そりゃ悪手じゃろ。蟻んコ」
この部分でもあえてコムギの「コ」をカタカナで使ってますね。
キルアが聴いたゴンの声
ピトーを倒したゴンは、死後さらに強大となった念をまとったピトーに再び襲い掛かられ、右腕を失っています。
その時にキルアがゴンの命を助けたわけですが、ゴンの心の声を聴いています。
HUNTER×HUNTERのコミック29巻「No.307 喪失」でのシーンです。
ゴン「大丈夫。痛くないよ。強がりじゃない。少しだけうれしい。やっと・・・カイトと同じになれた。あの時の・・・少しだけ救われた。」
このあと戦いは終わり心滴拳聴の伏線は全て回収されました。
ネテロの声を聴いたピトーが死に、ネテロも左腕を失って死んでいます。そしてピトーと戦ったゴン(そしてカイトも)は右腕を失い心の声をキルアが聴いているという繋がった一連の伏線の流れが本当にすごいですよね。
時系列的にはこの後、時間感覚の矛盾の伏線がウェルフィンに「コムギ」の一言のシーンで回収されて完結します。
キルアがゴンに問いかけた理由も、ゴンがピトーを独りで倒す気かもしれないから出た言葉ではないかと思う。
だからキルアのこの時の「どっちの?」は恐らく自分(ゴン自身)を鼓舞する為の「行こう」つまりキルアという仲間を必要としない「行こう」なのか、それともキルアと一緒に倒そうという意味の「(キルア一緒に倒しに)行こう」なのかってことだと思います。
キルアはゴンがピト―との闘いで必要無いと思っているのではと思っている。
そして、今の段階で独りでピト―に勝つのは不可能だとゴンも分かっているとキルアは分かっている、だからこそゴンが無茶(死ぬかもしれないこと)をする気ではないかと思っている。
だから、キルアは不安な表情をしているのでは、ないでしょうか?
それなのに問い詰めてゴンの無茶を止めることをしないのは、
問い詰めた時にゴンがキルアを突き放してまで独りで闘うことを決めてしまったら、友達という関係性が崩れるかもしれない、
それにキルアは怯えている、だから苦悩しながら任務を遂行している。
ゴンが一緒に闘うつもりなのだと、信じれてはいないが信じていると、
自分に嘘をつきながら結末を待っているキルアという図なのではと解釈。